晴和病院 左は内村裕之像
「一期一会」とは、井伊直弼の『茶湯一会集』にみられる言葉である。時に病院は茶室、医師は茶人、そして診察は茶会のようでもある。
精神科医「この患者だけは特別で、自分には治せる、自分にしか治せない、とか思ったりする。若いころは、みんなそうだ」
患者「逆転移というやつですね」
精神科医「それが投影だということに気づいて、乗り越えていくのがきつい。ワウンデッド・ヒーラー」
患者「気づかせるのも患者の役割、というか、転移と逆転移は共時的に起こっている」
精神科医「シンクロニシティというのは、つねに、いつでも起こってるんだね。コンステレーションは、あらゆる場所にある」
先生は両手を広げて、くるくると回してみせた。