蛭川研究室ブログ新館の、覚書の置場です。日々の雑感や、ちょっと考えたことを、書き留めています。
日付がつくので、日記のようでもありますが、とくに経時的に出来事を報告する日記ではありません。
学術的に意味のありそうなコンテンツについては、随時、加筆修正し、または別のページと統合して、「蛭川研究室新館」のほうに移動させています。移転した場合は、移転先へのリンクを張っています。
CE2019/04/21 JST 作成
CE2023/06/17 JST 最終更新
蛭川立
*1:
hirukawa-archive.hatenablog.jp
承前。
GeneLifeHaploが2.0にヴァージョンアップし、Y染色体を調べるサービスを始めたというので利用したのが2022年。2023年になってさらに3.0にアップデートされた。
#新製品 #Haplo #ハプロ #ジーンライフ #genelife #遺伝子検査 #DNA検査 #祖先 #先祖 #子孫 #DNADay
— 遺伝子検査のGeneLife ジーンライフ (@GL_GeneLife) 2023年4月25日
人気の祖先遺伝子検査キット「Haplo(ハプロ)」が大幅アップデート!
民族構成や祖先の移動経路に加え、3つの新機能を追加!これは事件ですhttps://t.co/U0KDPSjs2y pic.twitter.com/zxKwbbH402
自分のハプログループはD1a2aで、23andMeで調べたのと同じ。予想どおり、縄文系だということが確認された。
3.0からはDNA親族マッチングサービスも始まった。すでに23andMeにあったサービスでもある。
続いて、データベース上から二人の男性が紹介された。女性は紹介されなかった。そもそも祖先遺伝子検査は男性が多く、健康遺伝子検査は女性が多いという偏りがありそうだ。
マッチングなどというと遺伝子婚活のようだが、血族を探しているのだから、知らなかったほうがよかった、禁じられた出会いを知ってしまうようなパラドックスがある。
生物の配偶者選択においては、近からず、遠からず、というカウンターバランスで最適化されており、遺伝子の近さは匂いによって感知されているという説もある。匂い物質の遺伝情報をもとにした婚活マッチングサイトもある。
学生さんに興味を持って頂き光栄です!
— 【公式】ノッツェ .自衛隊婚活応援室 (@nozze_jieitai) 2021年8月16日
ここ数年で始めさせて頂きました、HLA遺伝子を検査して、マッチングを行うサービスとなります。
私も最初はSFの様な印象を受けましたが、これが現実的で、なかなか興味深いものでした。
遺伝子ってすごいですね!
コメントを頂き、ありがとうございました!
この「ノッツェ」は、人類学の受講生が教えてくれたもので、エビデンスになりそうな論文を探して投稿してみた。
個人遺伝子検査と日本列島民の系統については、以前に書いた記事が継ぎ足しで長くなってしまったので、秋学期の人類学の授業のためにも整理しなおしたい。
「日本列島民」というのは蛭川の造語だが、民族集団の名前も再整理したい。
「日本列島」も、南西諸島、千島・クリル諸島を含めない場合と、含める場合がある。
広義の日本列島では、台湾からサハリン・樺太、カムチャッカ半島にかけて、オーストロネシア系〜先島〜沖縄・奄美〜日本本土〜アイヌ〜ニヴフ〜古アジア系、というスペクトラムがあり、時間的には縄文→弥生という二重構造がある。
民族集団を政治的な意図とは切り分けながら名づけていくのも難しい。
「日本人」という言葉も〈国家〉と〈民族〉の両方の意味を持ってしまう。国民である場合には「日本国民」と明記したほうがいい。民族を指す場合はどうだろうか。「日本民族」か「大和民族」だろうか。琉球からみればヤマト(大和)であり、アイヌからみればシャモ(和人)であり、そして漢民族からみればワ(倭・和)という少数民族である。
人類学において、民族集団を示す場合は「族」か「人」を使うのだが、「人」と使って「日本人」とするとまた意味が曖昧になる。「日本族」というのにも違和感がある。島に住む先住民族だけは「島民」という言葉も使うから「日本列島民」という言葉を使うことも可能である。もっとも、北海道の場合は、アイヌ民族が先住民で、日本民族は新しい時代の移民である。
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Twitterがいつの間にかXになり、有料で140文字の字数制限を超えることができるようになったという。
もっとも、Twitterの面白さは、一行のつぶやきにあった。「ラーメンなう」のような文字列であらわされるできごとは、俳句や短歌のように圧縮された情報でもない。つぶやきのなかにある「なう」の時間は、リベットの実験の0.5秒ていどである。
その、一瞬の思考が組み合わさってワーキングメモリになり、それがさらに線型的に組み合わさって長期記憶になるが、それは事後的に構成された時間である。
記述の自己評価 ★★★☆☆
(日々その都度、思いついたことを書きとめているだけなので、文章は荒く、途切れ途切れです。学術的に価値がありそうなコンテンツは、できるだけ加筆修正して独立させます。)
オーストラリアが連邦レベルでシロシビン含有キノコとMDMAの処方を合法化した。
「MDMA:オーストラリアが世界初のサイケデリック療法を開始」「法改正は土曜日に発効し、オーストラリアは国家レベルでサイケデリックスを医薬品として分類した最初の国となる。薬剤への初期アクセスは限られており、費用もかかるが、多くの専門家や患者はこれを画期的な瞬間だと歓迎している。」 https://t.co/5MbHVcxBml
— Tatsu Hirukawa / 蛭川立 (@ininsui) 2023年7月1日
これは、国家レベルでは世界初だという。
シロシビン単体は国際条約で規制されているが、シロシビンを含有するキノコは規制されていない。プシロキベ属のキノコには、MAOIが含まれていて、アヤワスカ茶のようにシロシンの分解を阻害しているという説もある。
https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cplu.202000581
アメリカもオレゴンやコロラドなどの州は先に進んでいるが、州によってカルチャーが大きく違う。オーストラリアも州によって風土が大きく違うのだが。
十年前、2014年にクイーンズラド大学にいたときには、州は保守の牙城だと言われていた。それでも意識の高い女子学生の間ではMDMAが流布していると聞いていた。その程度の非犯罪化は進んでいたという背景があっての合法化である。
二十数年前には日本ではシロシビンキノコが合法だった時代があり、自分も聖なるキノコやアヤワスカを求めてメキシコやペルーに行ったものだったし、あのころは元気だった。若いから元気だったというよりは、サイケデリックスが脳を活性化してくれていたのかもしれないと、今になってそう思う。
京都でのアヤワスカ・アナログ裁判の資料を整理していくうちに、サイケデリックスが抗うつ薬として研究されていることを詳しく知った。逆にいえば、それまでサイケデリックスは探究心で摂取するもので、健康のためだとは自覚していなかった。それが、昨今の合法サイケデリックスの流行に触れてみて、何年も続いてきた慢性的な倦怠感が軽快するという体験をした。オーストラリアでもうつ病を疑われてSSRIを処方されたものだったが、そのころは、まだサイケデリックスが抗うつ薬として研究されているとは聞かなかった。
ファイヤークリニック式ダイエットに成功してから1年。
治験のようにして加わり、2ヶ月で-8kg、という謳い文句どおりになったプログラムに参加してから、1年と2ヶ月になる。
しかし、その後は、気がゆるみ、ゆっくりとリバウンドが進んでいて、体脂肪率の増加は止まらない。
プログラムの開始は2022年4月5日。ダイエット日誌はパスワードをかけて保存してある蛭川研究室ブログ旧館の跡地にアップしていたが、アップした画像には学術的な価値があるものもあり、こちらのブログで共有できるほうがいい。
あれから正確に何日経ったのかを数えようとしても、なかなか難しい。天文学の方面だと、日にちはユリウス日で計算するものだが、CASIOのサイトに便利な計算ツールがあった。
keisan.casio.jp 2023年7月1日の2460126日から、2022年4月1日の2459674日を引くと、452日となる。およそ1年と87日である。
買ったまま放置していたマイキンソーの検査キットの期限が6月30日だったことに気づき、慌てて便のサンプルを封筒に入れてポストに投函。
GeneLifeの担当者さんも脳腸相関の話をしていた。セロトニンの代謝と関係があるのかもしれないと考え、半年ぐらい前から、ときどき乳酸菌飲料を飲むようになった。
コンビニでよく見かけるのが、カルピス由来のガゼリ菌飲料。
アスパルテームが、もしかしたら発がん性があるかもしれないリストに加えられるという。砂糖依存症の健康リスクとのトレードオフを考えたい。アスパルテームがグループ2Bにランクイン予定だけど、皆んなはどの発がん性物質好きー?😽
— サバ⚡️ (@elonmuskmunou) 2023年6月30日
ワイは加工肉と漬物かな pic.twitter.com/iHL9HF2kPv
一昨年、精液を郵送するとテストステロン値を測ってくれるという、やや怪しげなサービスを試してみたが、30nmol/dLという、非常に高い値が出た。
2023年7月1日、ファイヤークリニックで採血し、血中テストステロン濃度を測った。530.4ng/dLという値が出た。計算の根拠がよくわからないのだが、molで換算すると、18.6nmol/dLということになるそうだ。
男性の年齢とテストステロン
A Validated Age-Related Normative Model for Male Total Testosterone Shows Increasing Variance but No Decline after Age 40 Years | PLOS ONE血中テストステロン濃度の個体差 https://www.researchgate.net/publication/280589059_Evolution_of_testosterone_treatment_over_25_years_Symptom_responses_endocrine_profiles_and_cardiovascular_changes
グラフと照らしあわせてみると、年齢よりも個人差が大きい中で、平均よりも1σぐらい高いぐらいである。
テストステロンは加齢とともにすこしずつ減っていくが、個人差のほうが圧倒的に大きい。男性にも更年期障害があるという説もあるが、初老期に起こりやすいうつ病と見分けがつきにくい。
上で引用した研究では、テストステロンの平均値は20〜30歳にかけてやや減少するが、その後は横ばいだという結果を示している。加齢とともに増えていく人もいるようで、個人差はさらに大きくなる。
個人差については、関係しそうな遺伝子がいくつか見つかっており、個人遺伝子検査でも調べてみた。また人差し指と薬指の長さの比率とテストステロン濃度が相関するという経験則も統計的に認められている。
平等主義思想の浸透にともない、女性の身体や、同性愛者の権利などの言説が活発化した。かつてはタブーであった女性の月経周期や性欲について語ることが自由になったーという言説はしかし、むしろ「語られなければならない」という生権力の作用だということもできる。
女性の場合、月経の前後では気分に大きな変動があり、とくに月経前の不快感は「月経前症候群(PMS)」として「治療されるべき病気」として「医学化」された。男性の場合、射精の前後では気分に大きな変動があり、射精後の虚脱感は「賢者タイム」などと冗談めかして語られることはあっても、治療されるべき病気として「医学化」され、「射精後症候群」などとカテゴライズされることはない。
男性の身体の特殊性については、医学において語られることがなかったし、今も医学という文脈で語られることが少ない。記号論的にいえば異性愛男性の身体は無徴(unmarked)であるがゆえに「医学化」という権力作用の外部に留まってきたのである。
www.fire-method.com 医療法人ともしび会・ファイヤークリニックの検査・相談を受けています。
(つねに加筆修正中であり未完成の記事です。しかし、記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしたり、その結果内容が重複したり、遺伝情報のように動的に変動しつづけるのがハイパーテキストの特徴であり特長だとも考えています。)
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