蛭川研究室 断片的覚書

私的なメモです。学術的なコンテンツは資料集に移動させます。

睡眠相後退症候群

睡眠と覚醒のサイクルが24時間以上になると、睡眠時間が後ろにずれていく。それでも同じ時間に起きようとすると、睡眠時間が短くなり、心身に不調をきたしやすくなる。

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2017年4月の睡眠日誌

睡眠と覚醒のサイクルが約24時間10分になっており、1ヶ月で約300分、5時間睡眠相が後退している。仕事が休みになる土日にはとくに睡眠時間が長くなり、遅い時間までずれ込んでいる。睡眠時間を前に戻しても、また後ろにずれていってしまう。

仕事を午後にシフトしていたので、かろうじて12時ぐらいに目覚まし時計をかけることで働くことはできていたが、翌5月には、さらに睡眠相の後退が進み、仕事にも支障が出始めた。

国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病第三部の心理検査を受けたのが4月の4日と26日だったが、前後の日より約3時間早起きしており、そのぶん睡眠時間も短く、コンディションが悪かった。

じっさい、4日の午後のWMS(ウェクスラー式記憶検査)の最中にパニック発作に襲われるという、えらく難儀なことになった。タイミングの悪いことに、ちょうど遅延再生の時間待ちだったので、中断もできず、ゆっくり休むこともできなかった。

睡眠相の後退について、つい夜更かしをしてしまうなど、生活習慣上の心がけという問題もあるが、朝よりも夜のほうが作業がはかどるといった背景には、遺伝的な体質も関係しているのかもしれない。

朝型/夜型を決めるというNPSR1遺伝子は、私はAAで朝型、CLOCK遺伝子はAAで、これも朝型であり、症状と食い違っている。多数の遺伝子が朝型/夜型という形質に関わっており、少数の遺伝子の変異だけでは概日リズム全体のどこに問題があるのかを見きわめるのが難しい。

光療法

2017年6月には、医師の勧めもあり、朝11時(というのは、だいぶ低い目標)から1時間、強力な光を浴びる、光療法を始めた。購入したのは、ブライトライトMEプラスという機種である。しかし、自宅での自己流の方法では、なかなかうまくいかない。


8月には検査もかねて国立精神・神経医療研究センター病院に入院することになり、それでようやく睡眠相後退を一時的に止めることができた。

10月には退院したが、しかし11月には再発し、12月にはまた神経研究所晴和病院に入院することになった。

晴和病院では、2階の光療法室にフィリップスのgoLITE BLUが設置されている。

青色LEDを使用することで、蛍光灯型より、さらに小型化されている。波長が短い光のほうがエネルギーが強いので、効果的である反面、直視すると網膜を傷めるという欠点もある。

病室は4階だったので、けっきょく自前のブライトライトを持ち込んで使った。毎朝8時、朝食の時間から2時間、光療法を行う。光量は5000lux・時が目安とされる。ブライトライトの場合は、机の上に置いた50cmの距離で5000luxになるので、光を浴びる時間は1時間以上あれば良い計算になる。

これでふたたび睡眠相の後退を止めることができた。ただ、それが光療法の結果なのか、入院という規則正しい環境のせいなのかは、わからない。

退院後の現在も、自宅でブライトライトを使い続けている。



記述の自己評価 ★★☆☆☆
(個人的な体験談であって医学的な正確さを欠いている部分がある。)
2018/01/01 JST 作成
2019/09/26 JST 最終更新
蛭川立