蛭川研究室 断片的覚書

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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。

疫学的研究

東大先端研と東京大学アイソトープ総合センターのグループが東大病院で抗体検査プロジェクトを行っている[*2]と聞いて、統括している児玉龍彦・川村猛の両先生に問い合わせたところ、SARS-CoVに罹患して抗体を持っているかもしれない希少なケースとして、慎重に検討したいとの返答をいただいた。その後も研究員の方とやりとりをしているが、とにかく人手と予算が不足しており、研究はなかなか進まないらしい。クラウドファンディングによる募金活動も始めたという。

アジア太平洋地域ではSARS-CoV-2罹患率が1万人に1人ぐらいであり、他地域での100人に1人という割合の、約100分の1である。しかし、上記の研究グループをはじめとする調査では、日本でも抗体を持っている人が、やはり100人に1人ぐらいいるという結果が出てきている。

アジア太平洋地域では、2003年のSARS-CoVなど、すでにSARS関連コロナウイルスの感染が(少なくとも1回以上)広がり、すでにSARS関連コロナウイルスの抗体を持っていた、という仮説が提唱されている。これについては2019年以前に採取された血液と比較するという研究も始まっている。

「免疫パスポート」

もし抗体を持っているとすれば、もう感染することもないし、他人に感染させることもない。だから、そんなことは気にせずに自由に行動できる。抗体検査で陽性と出れば、それが証明できる。これが「免疫パスポート」という考えである。

私も個人的には今年、2020年の5月に(東京で)発熱と下痢を伴う風邪のような症状を経験し、さらには2003年の4月に中国の雲南省で、やはり発熱と下痢を伴う風邪のような症状を経験したから、それぞれ、SARS-CoV-2、SARS-CoVに感染した疑いがある。疑いがあるというだけで、症状があるときに検査していないということもあり、確かなことはわからない。

ただし、検査の結果は絶対に正確ではないし、免疫が生涯続くかどうかという保証はない。先の児玉龍彦先生も「免疫パスポートなんてありえない」[*3]というお考えのようである。

抗体検査キット

自分で自分に針を刺して血液を採取するタイプの抗体検査キットはいろいろ出回るようになっているが、精度はあまり高くないようである。

比較的信頼性の高そうなものとして、たとえばセルスペクト製造、薬王堂販売の「クオリサーチ COVID-19 IgG LF[*4]」がある。イムノクロマト法(簡便であるが精度は低い)でIgGを検出する。ただし、従来の簡易測定キットに比べると「ELISA法での定量的な測定結果をベースに明瞭な検出基準を設定」することで、信頼性を向上させたとある(バラ売りで3600円)。

病院での検査

より正確には、専用の機械を使って結果を定量的に読み取る必要がある。病院に行けば、こうした検査は可能である。

たとえば、東京都世田谷区にある「三茶クリニック[*5]」では、スイスのロシュ社の抗体検査薬で抗体検査を行ってくれる(4500円)。これは、IgMとIgGの両方を測定し、陽性的中率は96.5%、陰性適中率は100%だという[*6]

ところでこのロシュ社の抗体検査は、病院に行かず、自分で採取した血液を郵送することでも可能である[*7][*8](6800円+チルドゆうパックによる送料は自己負担)。



記述の自己評価 ★★★☆☆
(インターネット上の記事を集めたものであり、学術的な正確さは保障されない。ここで紹介した検査会社や病院は、一例であって、それらが他と比較して検査方法が優れていることを主張するものではない。)
CE 2020/07/31 JST 作成
CE 2020/08/19 JST 最終更新
蛭川立

*1:免責事項にかんしては「Wikipedia:医療に関する免責事項」に準じています。

*2:www.ric.u-tokyo.ac.jp

*3:medical.nikkeibp.co.jp

*4:cellspect-yakuodo.com

*5:www.sanchaclinic.com

*6:www.chemicaldaily.co.jp

*7:www.gme.co.jp

*8:check-yourself.net これは抗体検査によって陰性となった人の体験談であり、じっさいのやりかたがわかって参考になる。ただし「晴れて「これまでにコロナウィルスに罹ったことは無い」と言い切れる」という表現には注意が必要で、検査の精度は完全ではないので「言いきれる」わけではない。また、抗体検査で陰性となったということは、今後、感染する可能性があるということなのだから、安心はできない。なお、抗体検査で陽性になったとしても、それが「免疫パスポート」だと言いきれるわけでもない。