蛭川研究室 断片的覚書

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脳波検査

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Parkside Terrace
井の頭公園 Office Yule

脳波の検査を二回。終夜睡眠ポリグラフ検査では周期性四肢運動障害が見つかった。血液中の鉄分が低めだったが、フェリチンは十分なので、治療するほどのことはないという。

三十年ぶりにてんかんの検査も行った。「うとうと」する、過呼吸、光刺激の三条件で、脳波を計測する。点滅する光の周期を3Hz〜30Hzまで、段階的に早めていく。白い光が点滅しているだけなのに、瞼の裏には視野いっぱいに水色の格子模様が広がる。光の点滅が早くなるにつれて、光のタイルは水色からすみれ色に変わり、格子模様の間にはピンク色の光斑も踊り始めた。まったく圧倒されるような色彩の演舞であった。

点滅する光を見ていると、恍惚とした色彩が展開してくるという体験は、以前からあることで、それはいっしゅの美的体験ではあるのだが、なにかの病気の兆候であっては困る。だからもう一度調べてみようと思ったのである。

そのことは検査技師にも医者にも話してみたが、脳波には異常はないという。

精神科医てんかんであれば、脳波に特有の揺れが出ますが、そんなことはないですよ」
患者「てんかんではないのなら何の病気ですか」
精神科医「病気じゃないですよ」
患者「病気ではないのなら何ですか」
精神科医「才能ですね」

別の医者にも訊いてみた。

患者「他にも同じような訴えをする患者さんはいないのですか」
精神科医「いません」
患者「じゃあ草間さんはどうですか」
精神科医「あのひとは神様の生まれ変わりだから」
 



記述の自己評価 ★★☆☆☆
2018/06/16 JST 作成
2018/06/17 JST 最終更新
蛭川立