東京にも雨季がやってきた。
熱帯のサバンナでは、雷鳴がさきがけを告げ、叩きつける雨に、ときには雹が混じるような、雨季はそんな激しい始まりかたをするものだが、日本で梅雨と呼ばれる雨の季節は、もっと静かで、メランコリックである。
開高健という人は、釣りに出かけては幸せになり、帰ってきては不幸になっていたという[*1]。ドーパミンやらテストステロンやらが多目だったのかもしれない。
最低の依存性薬物は酒で、最高の依存性薬物は釣りだ、ということだろうか。
知らない間に失効していたパスポートの再申請。戸籍謄本やら顔写真やら、ようやく必要な書類を揃えて窓口に持っていく。
窓口の人「出国予定日が書いてありませんが、出国予定日はいつですか」
患者「十年以内には出国する予定です」
窓口の人「未定であれば、未定と書いてください」
そう言いながら、窓口の人は、書類の空欄に「未定」と書き込んでくれた。
帰路でスマホを落としてしまい、遺失物の窓口でやっと受けとることができた。注意力が低下している。
飛行機に乗ってアマゾンに行けるようになるには、まだしばらくのリハビリが必要である。パスポートを作るのは、リワークのための作業療法である。
記述の自己評価 ★☆☆☆☆
2018/06/10 JST 作成
2019/03/01 JST 最終更新
蛭川立