世界没落体験(Weltuntergangserlebnis)は、ドイツ精神病理学の用語。
世界の破滅が間近に迫っている、あるいは終末の後に新しい秩序をが作られる、また、そうした一連の出来事の中で自分が特別な役割を担っているという妄想的観念。統合失調症の初期にあらわれる症状のひとつだが、サイケデリック体験や宗教的世界観の中にも同様の観念が存在する。
妄想と陰謀論について書いた記事の中でも言及した。
hirukawa-archive.hatenablog.jp
個々の単語に分解すると、
Weltは「世界」、
unterは「下」、Gangは「歩み、進行」であり、
Untergangは「下へ・行く」つまり「沈没、没落」という意味になる。
Erlebnisは「経験、体験」である。
つまり、世界が沈没していくような経験、を意味する。木村敏のいう「ante festum」、祭りの前、という「分裂病的な」認知の指向であるが、その切迫感からすると「祭りの直前」というべきか。
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