蛭川研究室 断片的覚書

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創造的狂気と市民的不服従

前橋地方裁判所で行われた、大藪龍二郎さんの公判の後の記者会見の様子が、Instagramにアップされた。

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大藪さんは、大麻を摂取すると、感性が研ぎ澄まされて、不安が減るという。芸術家が感性を研ぎ澄ましたり、不安を自己治療するのであれば、それは正当行為であり違法性阻却事由なのではないか、といったことを話したが、法的なことについては、門外漢である。

丸井弁護士は、大麻取締法違憲だと主張しつづけてきた。石塚弁護士は、会見の最後のほうで、市民的不服従(civil disobience)という言葉を使った。

かつて日本では「どぶろく裁判」というものがあったという。

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日本では、酒を造るのには免許が必要である。しかしこの人は、自分で酒を造って自分で飲んでいたので、有罪の判決をくだされた。これは市民的不服従の一例として解釈されている。

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石塚弁護士が市民的不服従について言及したときに、丸井弁護士はガンディーの非暴力不服従という言葉でこたえた。このサティヤーグラハ(satyāgraha)は、戦争や植民地支配など、より広範な政治的事件に対して問題提起するものである。しかし、精神活性物質をめぐる「生権力」はまた、政治的な問題になる。いわば「狂気」が公衆衛生上の問題になるからである。

サイケデリックスは宗教とともにあり、カンナビノイドは芸術とともにあった。もとより芸術は聖なる狂気のあらわれであったのだが、それが「生権力」により、治療されるべき病気、あるいは処罰されるべき犯罪と同じカテゴリに分類されるようになったというわけである。


記述の自己評価 ★★★☆☆ (勉強のための覚書であり学術的には正確ではありません。正確さを期してつねに加筆修正中であり未完成の記事です。しかし、記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしたり、その結果内容が重複したり、遺伝情報のように動的に変動しつづけるのがハイパーテキストの特徴であり特長でもあります。)


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CE2023/04/07 JST 作成 CE2023/07/25 JST 最終更新 蛭川立